宅地造成等規制法認定擁壁について

大臣認定擁壁

緑生擁壁は宅造擁壁として大臣認定を取得しています。

実物実験

●建設省建築研究所(茨城県つくば市)にて、建設大臣認定取得のため、降雨実験と構造性能実験を行いました。

①降雨実験
1.降雨実験は緑生擁壁の降雨時における安全性について検討することを目的とし、その検討項目は下記の通りです。
 1)降雨時における擁壁表面の変位と浸食状況。
 2)擁壁裏面の排水状況。
 3)擁壁に作用する土圧及び、擁壁変位。
2.実験方法
 ケース1:緑生擁壁背面に防水ゴムシートを張ってブロック内への水の浸入を防ぐ、即ち、従来の間知積同様の状態にして裏込排水砕石を設置した場合。
 ケース2:植栽の夏枯れを防ぐため、胴込コンクリート背面のみ裏込排水砕石を設置した場合。
上記2つのケースについて各々、降雨強度30mm/h・80mm/h・110mm/h・150mm/hの5段階に変化させ実験しました結果、下記の結論を得ました。
『緑生擁壁の排水層は、擁壁背面全体に設置されていないけれども、植栽土が裏込土と接している効果により、従来の練り積み造擁壁と同等の排水効果を期待することが出来る。』

降雨量150mm/h完了後の擁壁表面

②構造性実験
緑生擁壁の構造性能を明らかにする目的で、下記の実験を行いました。
 1.構造耐力実験
 2.引き抜き実験

1.構造耐力実験
本実験は『緑生擁壁』の保有している耐力を把握するための実験で、試験体に対して土圧に相当する水平力を加え、その時の試験体の変形状態及び、ひび割れの進展状況を計測し、試験体の保有している土圧(水平力)に対する構造性能を評価する事を目的としています。

擁壁天端面のスプリンクラー
からの降雨状況(150mm/h)

実験は緑生ブロック1型を2体組積し、
2体共実験を行う。その内の1体の加圧風景
2体の加圧の結果で『応力ーひずみ曲線』を示す。
破壊時の胴込コンクリートひび割れ状況

2.引き抜き実験
本実験は『緑生擁壁』が、1ブロックのみに集中荷重を受けた時の一体性、即ち、ブロックと胴込コンクリートの一体性との荷重が他のブロックへどのように伝達するかを把握するためで、試験体に対し集中土圧に相当する水平力を加え、その時の試験体の変形状態及び、ひび割れの進展状況を計測しました。

緑生ブロックII型を3段、3列に組積して、
中央ブロックのみに集中荷重をかけている実験風景

構造性実験の結果

1.ブロック背面に作用した土圧は、ブロック背壁から側壁、支圧梁によって、胴込コンクリートに伝達されます。

2.胴込コンクリートの最終破壊まで、背壁、側壁、支圧梁及び、係止突起のかみ合わせは、破壊しないことがわかりました。

3.胴込コンクリートと緑生ブロックが応力を受けても、一体性を保持しているため、無筋の練石積としてもよく、さらに胴込コンクリートに鉄筋を入れて、鉄筋コンクリートの柱として計算した場合でも、従来の鉄筋コンクリート柱と同じ結果がでることが確認されました。

ブロック背面の加圧板と計測器の設置風景

胴込コンクリート破壊時のブロック内破損状況で、破壊時集中荷重は54tです。

胴込コンクリート破壊時の擁壁端部と天端のひび割れ状態風景。実験結果、1ブロックのみ集中荷重を与えた場合でもブロック間の胴込コンクリートを介して、応力は伝達されていることが理解できます。

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